身体は食べ物によって養われています。そして身体の状態が心に反映します。
身体も心も実は食べ物によって支えられているのです。その大切な食べ物は環境の産物です。私たちは環境によって生かされています。ところが、人間は環境を変える力を持ってしまいました。私達の心が環境に影響するのです。
1.穀物・ご飯を主食にする
穀物という濃厚な植物質にはひとを養うのに必要な成分が、絶妙なバランスで含まれています。
- 主食品(身精白穀物)50%以上
- 副食品(野菜・豆・芋・海藻など)25%以上
- 嗜好食品(肉・魚・乳製品・卵・果物・菓子など)25%以下
という日本の伝統的な食性を知り、守りましょう。
2.一物全体を食べる
食べ物は生き物です。生き物はその全体で生きています。全体を食べることで、生命もバランスよく養われます。
穀物はなるべく精白しないで、野菜は皮をむいたりアク抜きをしないで、魚や肉もなるべく丸ごと調理しましょう。抽出・精製・合成塩・白砂糖・油脂・化学調味料・食品添加物や、それらを使った加工食品はなるべく避けましょう。
3.地と旬の産物を食べる
気候の異なる土地や季節外れの産物を日常的に多量に食べると、その土地や季節に適応できなくなります。
その風土で生き抜く力をくれるのは、その風土の寒暑風雨に鍛えられて育った作物です。農薬や化学肥料、温室を使わない国産の旬の作物や、近海で採れる海藻や魚介類を食べましょう。外国産の食材や季節外れの食材は、嗜好品としてたまに楽しむ程度にしましょう。
4.自然塩と火で調理する
調理とは、塩によってミネラル成分を整え、火によって栄養分解の前処理を行い、食物栄養を自己栄養に転換しやすくすることです。塩と火は、消化・吸収・代謝・排泄に使われる生理的エネルギーを節約し、知的活動に振り向けてくれます。食べ物、特に植物性食物は、自然塩と火で調理しましょう。
5.よく噛んで食べる
わかっていても意外とできていない。
よく噛むことによって、自然の風味、自然の甘み、食べ物の本当の味がわかり、栄養も無駄なく消化され吸収されます。少量の食事で満腹感が味わえるので、自然に食べ過ぎが防げます。少食が健康の基本。ダイエットもよく噛むことから始めましょう。一口50回以上が目安です。
6.発酵食品を常食する
私たちの身体の中、特に腸管にはさまざまな微生物が無数に共生しています。
そして、酵素やビタミンを生み出して、私たちが食べたものを分解したり、解毒してくれたりしています。味噌・醤油・天然酢・梅干・漬物などの発酵食品を常食して、善玉菌が住みやすい腸内環境を整えましょう。
7.飲み物を控えめにして水を飲む
地球の生物は、水なしでは生きていけません。
しかし現代の人たちは、のどが渇いていなくても、果汁・カフェイン・糖・アルコール・薬物などの入ったさまざまな飲み物を、大量に飲む習慣があります。 この必要以上の飲み物が、身体に大きな負担をかけています。のどが渇いたら「水」を飲みましょう。その他の飲料は、やはり嗜好品として少量を楽しみましょう。
8.感謝に満ちて楽しくいただく
不満や不安、怒りや苛だちは、自律神経を乱して体の働きを狂わせます。
おいしい食べ物でも、不愉快なイライラした気持ちで食べたのでは台無しです。自然の恵みと、いのちに感謝しながら、心を込め調理し、楽しくいただくことによって、栄養効果も何にも高まります。
食事の前には心を切り換え、ゆったりした気持ちでお祈りをして「いただきます」
9.陰陽の調和をはかる
食べ物には、身体を緩め、冷やし、落ち着かせる陰の作用をもつ食物。身体を締め、温め、活発にさせる陽の作用をもつ食物とがあります。
- 穀物はどちらにもかたよらない中庸。
- 野菜・果物などの植物性食品や砂糖・酢・酒・香辛料などは陰性。
- 肉・魚・卵などの動物性食品や塩・味噌・醤油・梅酢などは陽性。
調理法によっても、陰陽は変わります。 穀物を主体にして、陰の野菜と陽の調味料によって、陰陽の調和をはかることが、身体の健康を保つ基本です。